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zoom RSS トリウム熔融塩炉について、資源エネルギー庁、参議院で事実無根の答弁をする?

<<   作成日時 : 2006/06/17 12:21   >>

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 なんとも、参議院というか、参議院議員も軽く見られていたものだと感じています。

 「原子力についてどこまで知っているか?」を見るためには、トリウム熔融塩炉システム・トリウム熔融塩サイクル・トリウム軽水炉に対する知識・情報の有無を見れば、明確に出てきます。
 今回はよりにもよって、参議院で当時の資源エネルギー庁のお役人が、全く間違った答弁、または全く偽りの答弁をしていたという話です。

(以下は抜粋)
昭和五十六年五月二十六日(火曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/094/1260/09405261260011c.html
○森田重郎君 まあいずれにしましても車で一時間半ぐらい、約五十キロぐらいですね、大飯と美浜との間は。そこにおいて、ただいまの御説明を伺うと、やはり内容はとまれ事故があるというようなことで、いささかこの原子炉問題というのは今後の大きな一つの宿命をしょっているような問題ではないかと思うんです。そういう意味で、先ほど大臣にもちょっと御質問申し上げたんですけれども、機器の欠陥であるとか、操作上のミスであるとか、そういう問題をも離れて原子力行政に対する基本的な認識、これをわれわれはこの際改めて考え直す必要があるんじゃないかというような意味で、幾つかの事故の事例をお伺いしたわけでございます。
 時間もございませんので、最後にちょっと一言。
 これは毎日新聞さんですか、溶融塩炉の記事を私は拝見したんですが、たしか私自身も昨年の十月でございましたか、エネルギー対策特別委員会で西堀博士の提唱しておられる溶融塩炉の問題についてちょっと質問させていただいたことがあるんです。大臣にお伺いしましたら、溶融塩炉というのは私は知らぬと、聞いたことないというような御答弁が当時あったやに伺っておりますが、この点につきましてひとつ通産御当局の溶融塩炉に対する今後のあり方、姿勢、その辺をちょっとお聞かせいただければ大変ありがたいと、こう思います。
政府委員(高橋宏君)
(資源エネルギー庁長官官房審議官        当時)
 溶融塩炉と申しますのは、現在の軽水炉あるいは私どもが今後の夢の原子炉と称しておりますが、高速増殖炉の場合でございますが、いずれの場合にも燃料は固体状になっております。ペレット状になっておりましたり、あるいは仁丹状になっておったりしまして、それを装荷しましてある年月燃やし続けて、それで後で取り出すわけでございます。
 これに対しまして、モルテン・ゾルト・ファースト・ブリーダー、通称溶融塩炉と申しますのは、最初から燃料が溶融してどろどろしたマグマのようなそういう状態で使うわけでございます。したがいまして、原子炉の中を一種の流体として流れまして、その過程で燃えまして、そして流体の状態でまたおしりから出てくるわけでございます。そして、その出てきた燃料はそのまま今度は再処理工程を通りましてぐるぐる回る。言うなれば、再処理工場を中に持ったような原子炉でございまして、大変理屈はうまい炉でございます。と同時に、いま御指摘の西堀博士も言っておられますが、トリウムを使えるということで、トリウムは日本にはございませんけれども、賦存をする国が違いますが、大変核燃料サイクル上も有利だというような利点を持っております。そういう利点はございますけれども、一方ではまだまだ基礎段階の技術だと私ども認識いたしております。溶融塩の温度は二千度近くなるんだろうと思います。したがいまして、私どもは現在軽水炉からFBRへという基本路線の完成にいわば全力を注いでおりますが、御指摘の溶融塩炉につきましては、学問的な優秀さと申しますか、ございますので、現在のところ、日本におきましては原研の一部及び大学等においてやっておる。通産省といたしましては、関心は持っておりますが、現在の位置づけは大体そんな感じの位置づけだろう。興味ありますが、まだ基礎段階、基礎の勉強を続ける段階ではなかろうか、こんなような感触を持っております。
(抜粋終わり)

 さて、この高橋宏氏のした答弁の致命的な間違いは、

1.“モルテン・ゾルト・ファースト・ブリーダー、通称溶融塩炉”と言っているが、この種の熔融塩増殖炉の場合、その殆どが熱中性子を使う「モルテン・ソルト・サーマル・ブリーダー・リアクター」である。
 高速中性子を使う概念はあるにはあるが、それは最近の熔融塩増殖炉概念に少しあったりとか、AMSBとかCSMSRのように加速器駆動装置を使って増殖・核廃棄物消滅を行なう場合に加速器の出力を調節して部分的に利用するというコンセプトである。(例外的に塩化物熔融塩燃料炉という概念があり、これは高速中性子を燃焼と増殖に使う概念である)

2.“溶融塩の温度は二千度近くなるんだろうと思います。”
と言っているが、MSBRの場合、燃料塩の沸点は約1400℃。
 運転温度は、これの半分くらいの585℃〜725℃くらい(FUJIの場合)。
 何を以って、2000℃というのだろうか?

 
 これら二つについては、「溶融塩(熔融塩)増殖炉MSBR」(日本原子力学会)を読めば分かる話です。

 ところが、資源エネルギー庁は間違った答弁をするし、これについての議員の突っ込みが無い。
 「もんじゅ」のようなFBRには、答弁にリキが入っているようなのですが。

 原子力衰退・停滞は、既にこの時点から、密かに始まっていたのです。

(書き足し)
 しかし、「発言する会」とか「EEE」の会員、原子力メーカー・大学・電力関係者・マスコミが、このことを調べて、匿名でもネット上に出したりした事例は無かったように思う。
 「正しい知識を」「正しく怖がる」「国民の啓蒙を」とか言う原子力関係者は多いし、確かにそうだと思う。
(ただし、不安・不審・批判に潜む背景をしっかり探っていないように思うけど)
 しかし、そうした人々が原子力全般において正しい知識を持っているかと言うとそうではない。
 人間は知り続けなければならず、上手い感覚を持って知識を探求したり、情報を得続ける必要があるのだなあと感じさせられます。
 それが非常に困難で、人生の課題だったりします。

 また、溶融塩増殖炉MSBRについての図書情報は、
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溶融塩増殖炉 : MSBR研究の進歩と開発への展望 / 日本原子力学会溶融塩増殖炉研究専門委員会〔編〕||ヨウユウエン ゾウショクロ : MSBR ケンキュウ ノ シンポ ト カイハツ ヘノ テンボウ
版事項 改定増補版
出版・頒布事項 東京 : 日本原子力学会 , 1981.4
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
で、この議事の前に入手可能でありました。

(書き足し2)
 anti hirai様、クレヨンハウスよりも問題かもしれません。これは。

(書き足し3)
 nucnucさんによる「米国の核燃料サイクル構想がスタート」について、関連して、日本の核燃料構想の歴史として、トラックバックさせていただきました。

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